治療できるがん
前立腺がん
2020年(令和2年)1月より治療期間を短縮した治療を開始します。(PDFファイル・166KB)
低リスク | 原則としてホルモン療法は行わず、陽子線治療回数は20回です。 |
中リスク | 陽子線治療開始前に6~8カ月のホルモン療法を行い (※) 、陽子線治療回数は21回です。陽子線治療終了後のホルモン療法は行いません。 |
高・超高リスク | 陽子線治療開始前に6~8カ月のホルモン療法を行い (※) 、陽子線治療回数は21回です。陽子線治療が終了した後も合計で約2年間のホルモン治療を続けます。 |
【週4回少分割照射の場合】
低リスク | 原則としてホルモン療法は行わず、陽子線治療回数は12回です。 |
中リスク | 陽子線治療開始前に6~8カ月のホルモン療法を行い (※) 、陽子線治療回数は12回です。陽子線治療終了後のホルモン療法は行いません。 |
高・超高リスク | 陽子線治療開始前に6~8カ月のホルモン療法を行い (※) 、陽子線治療回数は12回です。陽子線治療が終了した後も合計で約2年間のホルモン治療を続けます。 |
※すでに他の医療機関で長期間のホルモン療法を受けられている方やその他の場合についての陽子線治療も対応しています。
下記の場合は従来の治療回数(20回または21回、37回または39回)での治療となります。
- 抗凝固剤・抗血小板剤を2剤以上内服している方
- 潰瘍性大腸炎や直腸がん術後など腸疾患の方
- 金マーカーおよび放射線治療用合成吸収性材料の留置が不可能または拒否された方 等
肝臓がん
腫瘍の位置や大きさにより陽子線治療回数が異なります。
照射野(陽子線が当たる範囲)が門脈一次分枝を含まない、あるいは消化管から腫瘍辺縁までの距離が2cm以上の場合、陽子線治療回数は10回です。
照射野が門脈一次分枝を含む場合、陽子線治療回数は22回です。
肺がん
腫瘍の位置や化学療法(抗がん剤)の併用の有無により陽子線治療回数が異なります。
病変が末梢部発生の場合、陽子線治療回数は10回です。
病変が中枢部発生の場合、陽子線治療回数は22回です。
切除不能Stage3の非小細胞肺がんで抗がん剤同時併用の場合、陽子線治療回数は35回です。
すい臓がん
抗がん剤を服用(※)しながら20回の陽子線照射を行います。抗がん剤は内服で、照射期間中の抗がん剤の処方は西部医療センターで行います。(病院併設型の施設の特長を活かした治療です。)
※陽子線照射後も抗がん剤の服用を続ける場合や陽子線単独治療となる場合もあります。
【主な適格基準】
- 胃や十二指腸への浸潤(がんが染み出るように広がっていること)がないこと
- 歩行可能で、軽作業や座っての作業ができる程度の全身状態であること
- 同部位への放射線治療の既往がないこと など
膵腫瘍プロトコール001 主な適格基準(PDFファイル・143KB)
膵腫瘍プロトコール002 主な適格基準(PDFファイル・141KB)
※個々の症例についての適応の判断は、医師の診察が必要となります。
頭頸部腫瘍
頭頸部(唾液腺、鼻腔・副鼻腔、上顎洞、篩骨洞、上咽頭、中咽頭、下咽頭、口唇・口腔、喉頭など)の腫瘍(肉腫を除く※)が対象です。照射回数は、がん細胞の組織の種類や部位によって異なります。
※肉腫は下記の骨軟部腫瘍として陽子線治療ができる場合があります。
骨軟部腫瘍
上肢体、下肢体を除いた体幹部と頭蓋底部など頭頸部における骨軟部腫瘍(脊索腫、軟骨肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、滑膜肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫、悪性線維性組織球症、巨細胞腫など)の場合、陽子線治療回数は26回です。
転移巣(リンパ節等)の場合、陽子線治療回数は16回を基本とします。
局所再発巣では26回照射を基本とします。
その他の腫瘍
その他の腫瘍につきましても、陽子線治療の適応となる場合がありますので、ご相談ください。(陽子線はX線と生物学的効果が似ているため、X線で治療できる症例は陽子線治療でも適応になることがあります。)
当センターで治療できるがんについては、現在、外部の専門医の先生方にもご協力いただき治療基準検討委員会等でプロトコールの運用や、治療成績の検証について協議します。
なお、
- 適応は、がんの大きさや病期、全身の状態などにより制限されます。
- 現在世界各地で治療が進められており、将来的には適応の拡大が期待されます。
- 白血病など全身に広がったがんや、胃がんなどは適応ではありません。